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本家・神脳味噌汁「世界」超ジードXV開拓日誌劇場ゾーンVANISHING LINE娘

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さすらいの列車

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一時期サボりまくったウルトラQもいよいよ最終回感想!
最後の物語はとあるSF作家が仕掛ける現実を飛び越える不思議で怖いミステリー。


・ウルトラQ
最終回
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登場:異次元列車


万城目さんと由利子ちゃんは一平君を置いて夜の街で現実を忘れてドライブデートと洒落込んでいた。
しかし、夜道に一人の男が倒れているのを見つける。最初はひき逃げかと思っていたが、どうやらただの酔っ払いだったらしい。

しかしその酔っ払い、沢村(演:柳谷寛)は踏切の音を聞くと突然「あけてくれ!」と叫びながら立ち上がった。
彼はさっきまで、恐ろしくも不思議な体験をしていたばかりだった。

一の谷博士と共にこの謎を追うことにした万城目さんと由利子ちゃん。二人はこの事件の裏にSF作家、友野(演:天本英世)が関わっていることに気づいた。
果たして、彼の正体は、そして沢村が乗っていたという「異次元列車」の正体とは…?


<この回この台詞>
「要するに、この息の詰まりそうな世の中からさよなら!だわ。」
―江戸川由利子、新聞記者


<今日の一枚>
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開始早々万城目さん達に置いてけぼりになる一平君。「ばか!」「あほ!」は良い。「人殺し!」て。


<ポイント>
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○物語
・現実と理想、その狭間を駆け抜ける異次元列車を追う万城目さん最後の冒険。
・辛く苦しい現実から逃れたい。そんな思いがもしも本物になったら?その時人は…。
・愛する者のため、苦しいけれど元の世界に戻ってきたサラリーマン、彼に待っていた現実とは…。

○最後の事件
・万城目さん最後の冒険は不思議な世界を駆け抜ける異次元列車の謎。
・一平君を置いて夜の街をドライブデートと洒落込む万城目さんと由利子ちゃん。最終回にしていきなり二人の距離が縮まったな。
・「ばか!」「あほ!」「人殺し!」…人殺しは言い過ぎだw。
・「帰らない」「貴方と私だけの世界」…由利子ちゃん、どうした?滅茶苦茶恋人モード入ってんぞ。
・「この息の詰まりそうな世の中からさよなら!」宣言する由利子ちゃん。皮肉にも、この後「この息の詰まりそうな世の中からさよなら!」したSF作家追いかけることになります。
・「ひき逃げだよ!」…怪我をしている訳でもないのに「ひき逃げ」と見るのは早計じゃないか?
・結局ただの酔っ払いだった沢村に雰囲気壊されてご立腹の由利子ちゃん。どんだけこのデート楽しみにしてたんだよ。
・友野の小説を読んでいた万城目さん。流石自称SF作家、他のSF作家の作品もちゃんとチェックしていたのか。
・一の谷博士に「疲れたらふとどこかへ行きたくなることがあるだろう」と指摘される万城目さんと由利子ちゃん。さっきまで思ってたよね、実際。
・友野を追いかける万城目さん達。この事件の核心に近づいているんだけどそれが何の意味も持っていないのは「ウルトラQDF」「ネオ・ウルトラQ」の雰囲気に近いものがある。
・友野絡みで警察に呼ばれた一の谷博士。警察に呼ばれると、悪いことしてなくてもドキッとするよね。
・友野の事件を追っているうちに自分達のいる場所がどこなのかが心配になってきた由利子ちゃんと万城目さん。そんな中でも万城目さんはジョークを言うぐらいの余裕はあるのね。
・異世界に対する不安を感じる中、突然開くボンネット。これは異世界関係なく怖いよ。しかも車ぶっ壊れやがったし。
・ふと見ると座席に友野の本が。しかも「見ちゃいましょう」と言う由利子ちゃんに答えるように「どうぞどうぞかまいませんよ」と友野の声…。これは怖いぞ。

○最後の願い
・サラリーマン沢村。異次元への誘いと現実の厳しさ。
・ちなみに沢村を演じていたのは「2020年の挑戦」で濃いキャラで活躍してくれた宇田川刑事を演じていた柳谷寛さんでした。
・夜の街に倒れていた沢村。踏切の音を聞いて「あけてくれ!」と絶叫。トラウマになってんじゃん。
・異次元列車に閉じ込められていた沢村。「変な夢を見てうなされていた」ってあの「あけてくれ!」寝相だったのかよ。
・必死で切符を探すけれど見つからないので笑ってごまかす沢村。ダメ感がw。
・どこかに向かっているらしい友野らと一緒に「旅に出たい」と言う沢村。最初は笑ってごまかしているだけかと思っていたけど、全部見終わってからもう一回見直すと凄く意味深に聞こえるセリフ。
・「根が風来坊なものでして…」…そんな「風来坊」が主役だったウルトラマンオーブ最終回の「今回のサブタイ」がこの「あけてくれ!」でした。
・友野の話を信じていなかったけど、外の風景を見てそれが現実であることを知った沢村。しかしよく部長さんに気づいたな。
・奥さんと娘さんのイメージを見た沢村は愛する家族のために現実へと戻ることに。普通に考えれば立派な選択と思われますが、その結果は…。
・イメージの中の奥さんと娘は若かったけど、現実にはすっかり二人とも歳を取っていた。あのイメージは過去の甘い思い出だったのか。綾小路きみまろで言うところの「あれから30年」か。
・車の中で奥さんにボロクソ言われる沢村。奥さんの言い方が酷すぎてこれは鬱病になるわ。
・おどおどしている父親も、そして酷いことを平気で言う母親もどっちも嫌っていた娘。意外にも母娘タッグで父親いびりって訳じゃなかったのね。
→ここでお父さんの味方をしてくれれば多少は彼も頑張れたかもしれないけど…。
・会社に行ったら行ったで部長にボロクソに言われる沢村。どこに行っても居場所が無い。現代にも通じる悩みだな。
・沢村、異次元列車の中では割と明るい人だったけど、現実に戻ってからは完全に鬱病のケがあるんだよな。もしかして、こっちが本当の姿だったとか?
・ラスト、部長からもらったドリンク剤を突き返し、会社からも去って行く沢村。現実に戻ったけど、彼には結局何の意味もなかったんだな。
・そして夜空を見上げ、異次元列車を見つめながら「連れて行ってくれ」と懇願。現実に戻った結果、沢村は完全に心が壊れちゃったのか。それとも、元々壊れていたからこそあの場に呼ばれていたか…。

○最後の謎
・SF作家が仕掛ける不思議なミステリー。
・ウルトラQ最後の事件が自称・SF作家が本物のSF作家の仕掛けた謎を追いかける事件とは。
・SF作家、友野を演じるのは天本英世さん。「仮面ライダー」の死神博士で、それ以外にもいろんな特撮作品で大活躍した名優。
・夜の街を何度も往復して飛ぶ異次元列車。…結構自己主張強いんですねw。
・異次元列車の車掌。切符でなければ乗車できないという結構融通効かない人。
・歪んだ空間の中、人々を異世界に誘う友野。穏やかな雰囲気がなんか不気味だ。
・「ちょうど、貴方みたいな飛び入りさんに説明していたところです。」…飛び入りさん、結構多いのね。管理ガバガバじゃねぇか。
・異次元列車はみんなが行きたがっていた場所「厳しい現実から遠く離れた場所」へと向かうためのジャンプ台のようなもの。要するに、リアル現実逃避装置。みんな現実から逃げ出したがっていたからこの列車に引き寄せられたのか。
・友野はその「現実から離れた世界」を小説にして書いていた。隠したりしないんですね。
→てか学生君、友野のこと知っていたのか。ファン?
・沢村を降ろした異次元列車。どうやらもう一人いたご婦人もあの後降りたらしい。しかし降りた結果が精神へのダメージって、悪質だな。
→てか一の谷博士、女の人をあんな宇宙の描かれた部屋に閉じ込めるなよ。普通の人でも頭おかしくなりそうだよ。
→残りの学生服とおじさんは…。
・一年半前に異世界に入り浸りながらそこで作った原稿を自宅に送って仕事をする友野。現実に戻れない訳でもなく、現実の人間関係を切ることなく、ただ遠くの世界でのんびりしながら仕事をする…ずるいレベルで完璧じゃん。
・ふわーっと浮かぶ列車。そしてその映像はしっかりと残っていた。しかしこの着物の女の子を列車に乗せているのは何の撮影だったんだろう。CM?
・ふわーっと浮かんで消える列車。相変わらず特撮は見事。友野が奪ったのか、それとも異世界が引き寄せたか。
・ラスト、万城目さん達に全ての真実が書かれている本をプレゼントする友野。同じSF作家へのプレゼントだろうか。
・始まりはエレベーターに乗ったこと。現実から逃れたかった「彼」は自分が頭の中に描いてきた不思議な世界へと旅立っていった。ウルトラQのナレーションと言えば「貴方の目は貴方の肉体を離れて不思議な世界に迷い込んでいく」ですが、こっちは「肉体ごと不思議な世界に迷い込んでいく」なのか。
・異世界は車や電車が空を飛ぶ未来的な世界だった。なんか、おもちゃ箱みたいだ。
・余談ですがこの異次元列車、「ウルトラ怪獣擬人化計画」で女の子になっています。しかもちょっとデザインウルトラマン寄りの。

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<一言>
バランスが崩れたアンバランスな世界。
そんなアンバランスから人々を守るため、光の国から僕らのために彼が来てくれる訳です…。



<ウルトラQ 完>



<総評>
・ウルトラシリーズ全ての原点。不思議で奇妙で愉快で怖い、アンバランスな物語。
・CGなんてないのに、技術だって古臭いのに、それでも見事な特撮映像。
・恐るべきアンバランスに対し、時に振り回され、時に立ち向かう人々の英知。
・「怪獣」が中心なので、一人一人のキャラが立っている。

ベストエピソード:「カネゴンの繭」「虹の卵」
一番笑った瞬間:思ったより可愛かったガラモン(ガラダマ、ガラモンの逆襲)、やたら根性のある少年イタチ(地底超特急西へ)
一番驚いた瞬間:マンモスフラワー・ジュランの見事な開花(マンモスフラワー)
一番泣いた瞬間:さらばラルゲユウス(鳥を見た)
ベストキャラ:ダイナマイトジョー(燃えろ栄光)、ヒゲオヤジの部下(カネゴンの繭)、三郎(鳥を見た)
好きな怪獣:隕石怪獣ガラモン(ガラダマ、)、人工生命M1号(地底超特急西へ)


by U2Z-GEKIDAN | 2017-08-04 08:30 | 超人列伝

by 激団死鬼